一人静かに内省す

日本男子を中心に体操競技応援中!体操競技について思いのまま綴っています

そんなことより交差しようぜ!

この度萱和磨選手、谷川航選手、谷川翔選手のアスリートカードが発売されることが決定した。推しのトレーディングカードが98種類も発売されるなんて、ありがたい時代だ。

フライヤーのような画像の航選手がカッコよすぎる。谷川兄弟で別角度の横顔をチョイスするこのセンス、素晴らしすぎではないか。普段は翔選手のあん馬の写真を使われることが多いのだが、珍しく航選手のあん馬の写真が採用されている。セアをやっている航くんのお写真、とっても最高だね!

 

 

 

 

…………

 

 

ところで体操選手の皆さん、セアやってますか?

体操競技に興味を持って、技を理解できるようになってもあん馬だけは理解できない、という声は少なくない。私もその一人で、倒立技や移動技はなんとか理解できるようになったのに、フロップとコンバインであっさりつまづいてしまった。そんな中、セアはわかりやすいし、あん馬の中でも雄大な表現ができる印象なので好きな技のひとつだが、そもそもセアやってますか?(2回目)

いやいや、セア技(交差技)はあん馬のグループⅠだし、やってないわけないやんけ、と言いたいところだろうが、私だってそれくらいは把握している。

 

現行のDE制のルールになったばかりの頃は、セア技はB難度のセアひねりで満たすことが多かったと記憶している。

youtu.be

こちらは北京オリンピックでの冨田洋之さんの演技だが、足を高く上げてセアをしながらひねって、さらに逆セアを行うセアひねりを実施している。さすがの演技、ああ美しい。私にとってこの技がセアの始まりだ。

 

東京オリンピックルールまで正交差倒立、逆交差倒立ともにD難度だったため、少しでもDスコアを上乗せしたいという思いからか、いわゆる交差倒立技でグループⅠを満たす選手は多い。(現行ルールより逆交差倒立はC難度へ降格)

あくまで私が思うところのセアというのは、足を高く振り上げて足を前後に入れ替える、その名のごとく足を「交差」する動きだと認識している。交差倒立はパワーを使う技なので1技目に実施する選手が多いのだが、交差というより振り上げのような印象を受けてしまうのだ。

 

youtu.be

こちらは現あん馬の世界チャンピオン、

 

youtu.be

こちらは萱和磨選手で、昨年の世界選手権予選の演技。同じく1技目に交差技を実施しており、萱選手の場合は正交差倒立。倒立を経過して足を入れ替えることで交差している、というかそれがこの技の認定要件だ。ただ倒立を経過すると、どうにも足を入れ替えているという様子が受け取りにくく、「交差」を行なっていると感じがたいのである。

何度でもいうが、”私にとっては”だ。

橋本大輝選手のように2技目以降に交差技を実施する選手や、松見一希選手のように交差倒立技を2技入れている選手は、技の流れ上、実施前に交差の動きをせざるを得ないケースもあるが、そういうことじゃないんだ。

 

youtu.be

セアといえば亀山耕平さんだ。こちらは2017年の世界選手権の予選の動画。1技目のブスナリのあとに正交差倒立を行なっているので、その間に交差を挟んでいるが、注目は交差倒立を行なったあとの交差だ。右足を大きく、高く、まっすぐ振り上げ、そして正面を向くこの一連の動作、まさにArtistic gymnastics.

youtu.be

そしてこちらは内村航平さん。映像はリオオリンピック団体決勝の演技。結局ここにたどり着いてしまった。この内村さんの場合は1技目に逆交差倒立を行なっている。技を実施する前に助走のように交差を行なって、一気に足を振り上げて交差倒立に持ち込むスタイル。この助走交差が結構好き。

しかし、亀山さんも内村さんも引退してしまっている。私も懐古主義のような真似はしたくない。

 

交差…交差……

現役で交差をやっている選手いませんか……

 

 

 

 

 

 

youtu.be

いました、土井陵輔選手。こちらは2022年全日本種目別選手権決勝の演技。1技目に逆交差倒立を実施する

youtu.be

そしてこちらはアメリカの

とはいえやはりパワーを使うからなのか、交差技に重きをおいている選手はそもそも少ない。あん馬は旋回をする競技なのでそりゃそうだろ、という話だが、昨今におけるセアの影の薄さがもの悲しいのだ。

 

ところで本家はどういった実施だったのだろうか、と気になったがやはりしっかり交差する捌きだった。当時のルールで、こういった捌きがどういう評価につながっていたかはわかりかねるが、表現がとてもダイナミック。

youtu.be

 

最後にロンドンオリンピックチャンピオンのKrisztian Berkiパイセンの動画を置いておく。今後、これくらいの交差をかましてくれる選手が現れることに期待を込めて。

youtu.be