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日本男子を中心に体操競技応援中!体操競技について思いのまま綴っています

パリオリンピックで体操競技を見よう!①体操競技の日程

パリオリンピック開幕が近くなったからなのか、検索エンジンはてなブログのタグからのアクセスが少し増えています。体操競技はやはりオリンピックで大きく注目される競技なのだなと改めて感じます。

というわけで、せっかく四年に一度のお祭りが開催されるので、体操競技に興味を持ってくれている方が少しでも競技をおもしろく見られることを期待して、5回に分けてオリンピックの体操競技について紹介したいと思います。
体操競技の何が見どころ?」「ルールが知りたい!」「どの選手に注目すればいい?」と思っていられる方に見てもらえると幸いです。
当方女子競技はあまり知識がないこともあり、男子を中心とした記事になっています。

 

まず今回は体操競技の日程と、どういった競技があるかを紹介します。

 

 

 

パリオリンピックの日程

まず日程です。体操競技は昔からオリンピックの前半に行われる競技で、日程の一覧はこちら。(【NHK】体操のオリンピック競技ガイドより)

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体操競技はパリでとても人気があるスポーツなので、向こうのゴールデンタイムに放送されることもあり、日本時間では夜中の放送になります。

注目の団体決勝と個人総合決勝は平日の夜中の放送になるので、睡眠不足の日々が続くことになりそうです。種目別決勝は土日な上、比較的見やすい時間帯に行われます。
男子団体決勝と種目別決勝3日目はNHK、男子個人総合決勝は日本テレビ、種目別決勝2日目はテレビ朝日で中継される予定です。NHKプラスやTVerでも配信される予定なので、テレビがないお家や外出先でも視聴が可能です。便利な世の中になりました。

予選や種目別決勝1日目もおそらくテレビ中継されるとは思いますが、放送局は今のところ公表はされておりません。予選は男子は第2グループ、女子は第3グループに割り当てられています。

 

体操競技の種目は大きく『団体』『個人総合』『種目別』に分かれます。『団体』は6種目合計を争うチーム戦、『個人総合』は6種目合計を争う個人戦、『種目別』は各種目を争う個人戦となっており、予選を通過したチームおよび選手のみが決勝に出場できます。

 

 

予選

予選に出場する選手は、個人で出場資格を持つ選手と、チームで出場資格を持つ選手がいます。チームで出場資格を持つ選手(国)は団体戦に出場することができます。もちろん日本はチームとして出場権を獲得しているので、団体戦にエントリーします。団体戦にエントリーする場合、5人の選手が1チームとして戦います。

男子は6種目ありますが、5人全員が全種目演技するわけではありません。予選は選手5人のうち4人が演技をして得点が高い3人の点数が採用される、いわゆる「5−4−3制」となっています。なので、誰がどの種目にエントリーするかがとても重要になります。

そしてこれが大きなポイントなのですが、団体戦の予選、個人総合の予選というように種目ごとに予選を行うわけではなく、団体戦の予選=個人総合・種目別の予選も兼ねているのです。
先ほど説明した5−4−3に当てはめて、6種目演技した選手のみが個人総合にエントリーし、種目別はその種目を演技した選手のみがエントリーすることになります。種目別のうち跳馬のみ、2本演技を行なった選手だけがエントリー対象となります。

 

1回の演技で団体、個人総合、そして種目別の決勝の権利がかかっているということもあり、非常に重要な種目となっています。

ちなみに団体にエントリーしている国で、予選で演技をしなかった(特定の種目にエントリーしなかった)選手が、団体決勝でその種目を演技するということも可能ですが、リスキーなのでそういった手法をとることは少ないです。

 

 

団体決勝

団体は12ヶ国がエントリーしていますが、予選の得点上位8ヶ国が決勝に出場できます。
1・2位通過、3・4位通過、5・6位通過、7・8位通過がそれぞれひとつの班になり同じローテーションを回ります。

男子は、ゆか▶︎あん馬▶︎つり輪▶︎跳馬▶︎平行棒▶︎鉄棒という順番をベースとしており、これを“正ローテーション”と呼びます。1・2位通過は1班でゆかから始まる正ローテーション、3・4位通過は2班であん馬から始まるローテーション、というように、予選の順位によってローテーションが変わり、全チーム同時進行で演技を行います。
先ほど説明した正ローテーションで回ることができれば最終種目が鉄棒になり、アテネ大会で有名な栄光への架け橋は、正ローテーションで回ることにより実現される場面ということがわかります。

 

予選と違い団体決勝は5人の選手のうち3人が演技し、その3人全員の得点が加算される「5-3-3制」で行われます。

例え失敗してもその演技の得点も加算されるため、ミスの許されない厳しい戦いを強いられることになりますが、その分最も見応えのある種目ともいえます。

 

 

個人総合決勝

個人総合は6種目の合計得点を争う種目で、水泳でいうところの個人メドレーのような種目にあたります。

予選で個人総合にエントリーした選手のうち、上位24名のみ決勝に進出することができます。同じ国で3名以上上位24名に残った場合、そのうち上位2名のみしか決勝に進出することはできません(個人総合の場合はチーム内で協議して決勝進出者を変更することも一応可能)。

1〜6位通過の選手が正ローテーション、7〜12位通過の選手があん馬からのローテーション、といったように、団体決勝と同じく4班に分かれて同時進行で演技を行います。

 

 

種目別決勝

予選で各種目にエントリーした選手のうち、上位8名のみ決勝に進出することができます。そして個人総合と同じように、同じ国で3名以上上位8名に残った場合、そのうち上位2名のみしか決勝に進出することはできません。

種目別決勝は予選の順位に応じて、事前に割り振られていた演技順で演技を行います。

 

 

団体決勝、個人総合決勝、種目別決勝、いずれも予選の得点は一切持ち込みません。予選自体はとても重要ですが、決勝進出者や演技順を決めるようなところになっています。
とはいえ予選を上位で通過すると印象が良く、決勝でもわずかながら点が出やすい傾向にあるので(それがいいかどうかは置いておいて)、なるべく上位で決勝に進みたいところです。

 

 

次回、体操競技の基本的なルールについて紹介します。